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スポーツ障害

スポーツ障害とは

スポーツ障害とは同じ動きを繰り返すことで特定の部位に負荷がかかり、痛みが慢性的に続く状態を指します。
ダメージが徐々に蓄積し、過労や病気に至るまで気づかないことが多いです。
年齢や性別、スポーツ種目によって特徴が異なるため、運動中の注意点やケア方法も異なる点があります。

スポーツ障害の原因

スポーツ障害の原因関節、靭帯、腱、骨などに繰り返し外力が加わることで、様々な痛みや症状が発生します。
ここでは、その原因を理解し、予防につなげるために、スポーツ障害の原因を「オーバーユース」「ミスユース」「デイユース」の3つの観点から詳しく説明していきます。

オーバーユース

繰り返しの動作による使い過ぎがスポーツ障害の主な原因です。
野球の投球やテニスのラケット操作、膝の曲げ伸ばしなど、特定の動作を繰り返すことで発症します。

ミスユース

誤ったフォームでの練習が身体に負担をかけます。
偏った動作や痛みをかばう動きが原因で、特定の箇所に負荷が集中し、スポーツ障害を引き起こしやすくなります。

デイユース

柔軟性不足が靭帯や筋肉、関節の可動域を狭め、衝撃を吸収しにくくなり、障害を生じやすくなります。

身体の組織の成長が骨の成長に追い付いていない

成長期には、骨が伸びる速度に靭帯や筋肉の成長が追いつかないことが多いです。
これにより、筋肉に引っ張られた未成熟な骨が損傷したり、靭帯や腱が過度に伸びて損傷したりといったことが生じます。

このような症状はスポーツ障害かもしれません

肩が痛い

  • 肩峰下滑液包炎
  • 腱板炎
  • 関節唇損傷
  • 腱板損傷
  • インピンジメント症候群
    など

肘が痛い

腰が痛い

  • 椎間板ヘルニア
  • 梨状筋症候群
  • 腰椎分離症・分離すべり症

膝が痛い

  • オスグッド・シュラッター病
  • 分裂膝蓋骨
  • 離断性骨軟骨炎
  • 腸脛靭帯炎
  • 鵞足炎

足が痛い

肩のスポーツ障害

肩関節脱臼

肩関節は、上腕骨頭と肩甲骨の浅い関節窩から成る構造で、可動域が大きいですが、骨の構造が浅く、靱帯や筋肉で補強されています。
しかし、スポーツなどで強い外力が加わると脱臼が生じます。
ラグビーや柔道、スキーなどで多く見られ、肩を上げた状態で後方に力が加わったり、転倒したりすると脱臼が起こりやすいです。
一度脱臼すると2回目以降は弱い外力でも再発しやすくなります。

野球肩

野球肩は、野球に限らず、テニス、やり投げなど腕を大きく振るスポーツで生じる肩の痛みです。
肩の使いすぎや、同じ動作を繰り返すことで肩の筋肉が固まってしまい、正しいフォームで投球やサーブができないことが原因となりえます。
再発させないためには、正しいフォームでスポーツを行う必要があります。

リトルリーグ肩

成長期の骨には成長軟骨がありますが、疲労骨折のような損傷を起こしたり、投げすぎにより軟骨に傷が入ったりします。
小中学生では骨の成長が筋肉より早いため、一時的に柔軟性が低下しやすく、この時期の酷使は靭帯や腱を痛める原因になります。

肘のスポーツ障害

テニス肘(外側上顆炎)

テニス肘では、手首を使った際に肘に痛みが生じます。
ラケットを持つ動作や物を持つ際に発症しやすく、手首に伝わる衝撃が肘にまで及ぶことが原因です。
テニスだけでなく、ゴルフや剣道などでも見られます。

ゴルフ肘(内側上顆炎)

ゴルフ肘は、手首や肘を使いすぎることで発症します。
肘の内側にある内側上顆に過度な負担がかかり、炎症が起きて痛みが生じます。
無理なスイングを続けると発症しやすく、手首を曲げたりひねったりすると強い痛みが出ます。

野球肘

野球肘は、成長期にボールを投げすぎることで生じます。
痛みを無視して投球を続けると悪化し、場合によっては手術が必要になります。

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腰・股のスポーツ障害

腰椎分離症

腰椎分離症は、発育期の青少年に多い腰の疲労骨折です。
スポーツ中に体を反らしたり腰をひねったりといった動きが原因で、野球や水泳などでよく見られます。
放置すると腰椎が完全に骨折したり、脊髄神経を圧迫してしびれや足の痛みが出たりすることもあるため、早期治療が重要です。

仙腸関節障害

仙腸関節は骨盤の左右の腸骨と仙骨の間にある関節で、片足に荷重する時やサイドステップなどで負荷がかかりやすいです。
この繰り返しが障害を引き起こします。

骨盤剥離骨折

骨盤剥離骨折は成長期の子どもに発生しやすいスポーツ障害です。
腸骨の上前腸骨棘や下前腸骨棘に付着する筋肉が、キック動作などで急激に引っ張られることで骨盤の一部が裂離します。
特に、キック動作では下前腸骨棘、ダッシュでは上前腸骨棘が多く見られ、まれに坐骨結節も裂離することがあります。

股関節インピンジメント

股関節のスポーツ障害は少ないですが、しゃがんだりあぐらをかいたりといった姿勢で痛みが出る場合はこの障害が疑われます。
過度に股関節を屈曲させるスポーツで発生しやすいです。

鼠径部症候群
(グロインペイン症候群)

運動時に太ももの内側や鼠径部、下腹部に痛みが生じます。
スポーツで足関節捻挫などのケガをした後、無理にスポーツに復帰すると発生しやすいです。

脚のスポーツ障害

疲労骨折

疲労骨折は、一回の負荷で起こる骨折とは異なり、同じ部位に繰り返し小さな力が加わることで骨にヒビが入り骨折することです。
最も多い部位は中足骨(足の裏の5本の骨)で、次に多いのが脛骨(すねの骨)です。
中足骨の疲労骨折は、ランニングやバスケットボール、ラグビーなどや、バレエ、新体操で、脛骨の疲労骨折は、ジャンプ競技やランニングの多い競技で発症しやすいです。

シンスプリント

シンスプリントは、すねの骨の内側が痛む病気で、長距離を走る陸上、サッカー、バスケットボールをしている中高生に多く見られます。
原因は疲労の蓄積、固いグラウンドや路面での練習、合わない靴などです。

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肉離れ

肉離れは、筋肉の収縮時に過伸張ストレスが急激に加わることで、筋線維が損傷する傷害です。医学的には筋損傷、筋断裂、筋膜断裂と呼ばれ、スポーツ活動中に発症しやすいです。

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膝のスポーツ障害

膝の慢性障害

ランニングやジャンプを長時間繰り返すことで膝に痛みが生じます。
腱や靭帯が骨につく部分では、筋肉の働きによるストレスが集中し、組織の障害を引き起こします。

オスグッド

成長期に見られる症状で、骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、関節に負荷がかかることで発症します。
痛みがある場合は、完全に治るまで治療を続ける必要があります。

円板状半月板

アジア系人種に多く見られる異常で、通常、三日月形の半月板が、ほぼ丸い板状をしている状態です。
膝の痛みや引っかかり感、ロッキング現象などが生じます。

ジャンパー膝

ジャンプを繰り返すスポーツでよく見られ、骨と靭帯の連結部分が炎症し、痛みが発生します。

ランナー膝

長距離を走るマラソンランナーに多く、膝の外側に痛みが出ます。
ランニング時の膝の曲げ伸ばしの反復による過剰な刺激が原因で、特に男性に多い症状です。

膝前十字靭帯損傷

スポーツ時の急な停止や方向転換、膝後部への強い衝撃による前十字靱帯が損傷です。
損傷の程度は部分的な損傷から完全断裂まで様々で、コンタクトスポーツやジャンプの着地時に発生しやすいです。

足のスポーツ障害

足の慢性障害

全体重がかかる足は、ジャンプの多いスポーツで慢性障害が多く発生します。
スポーツによる衝撃で、骨や軟骨、靭帯や腱に障害が発生し、痛みが生じます。

足関節捻挫

スポーツ中に足が滑ったり、着地に失敗して足首を捻ると、急激な内反が強制され、外側の前距腓靭帯などが伸びたり断裂したりします。
ジャンプの着地時に他の選手の足の上に乗ると発生しやすく、バレーボールやバスケットボールで多く見られます。
また、プレー中のストップや着地、切り返しで足首を捻る場合は中等度の損傷が多く、サッカーやラグビーなどでよく発生します。

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アキレス腱炎

アキレス腱はスポーツによって酷使されやすく、常に小さな断裂と再生を繰り返しています。
これがアキレス腱炎の原因です。
繰り返しの酷使と疲労の蓄積が断裂を引き起こし、その再生過程で炎症が発生します。

アキレス腱断裂

アキレス腱はふくらはぎから踵にかけて存在し、足首の動きを制御します。
急激な動作や強い力が加わることで断裂することがあります。
断裂後は爪先立ちができなくなり、断裂した瞬間や触った時に強い痛みを感じます。

スポーツ障害の治療

スポーツ障害の予防・改善には以下のような治療があります。

リハビリテーション

身体の動きを通じて症状の軽減と機能の回復を図ります。
医師監修のもと、理学療法士が個別にメニューを作成し、ストレッチや運動を指導します。

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物理療法

機械的、温熱、電磁気といった物理的な方法を用いて、症状の軽減と痛みの回復を促進します。

PRP療法(PFC-FD™療法)

肘や膝の関節に、患者様の血液から作られたPFC-FD製剤を注入し、関節、筋肉、靭帯、腱、軟骨など損傷した組織の回復を促します。

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