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へバーデン結節・ブシャール結節

ヘバーデン結節・
ブシャール結節とその違い

ヘバーデン結節・ブシャール結節とその違いヘバーデン結節は指の第1関節が変形し、ブシャール結節は第2関節が結節状になる疾患です。
これらは関節の摩耗が進行する病気で、治療法はありません。
関節に負担をかけない工夫が重要です。
どちらも変形が進むと関節が盛り上がり目立ち始め、皮膚を刺激して爪側に水ぶくれのような出っ張りができることもあります。
これを粘液嚢腫(ミューカスシスト)と呼びます。

ヘバーデン結節・
ブシャール結節と
リウマチの違い

ヘバーデン結節・ブシャール結節とリウマチの違い

  • 第2関節を触ったり押したりすると「ブヨブヨ柔らかく腫れている場合はリウマチ」、「硬い骨を感じる場合はブシャール結節」と判別することもできます
  • ヘバーデン結節・ブシャール結節の痛みはそれぞれの関節に限定されますが、リウマチの場合は手首など他の部位にも症状が現れます
  • リウマチ特有の症状である朝のこわばりは、ヘバーデン結節・ブシャール結節では見られません
  • レントゲンで関節の破壊が確認できればリウマチと診断され、骨棘が見られた場合はヘバーデン結節・ブシャール結節が疑われます
  • 血液検査では、ヘバーデン結節・ブシャール結節に異常は現れませんが、関節リウマチでは免疫異常が示されます
  • 発熱、倦怠感、貧血など全身症状はリウマチのみ出現します

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の原因

原因は明確ではありませんが、関節の軟骨がすり減り、骨が変形して痛みや腫れを引き起こします。
手の使い過ぎや筋力低下、水分摂取不足、女性ホルモンの低下が関与しているとされ、特に更年期の女性に発症しやすいです。

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の症状

ヘバーデン結節

ヘバーデン結節

  • 手指の第1関節に腫れや痛み、変形(側方、屈曲)が発生し、動きにくくなる
  • 変形の程度は様々で、全ての人が強い変形を示すわけではない
  • 変形が進行すると痛みが軽減することが多いが、見た目に悩むこともある
  • 第1関節背側中央の伸筋腱付着部に2つのこぶ(結節)が現れる
  • 粘液嚢腫(ミューカストシスト)という水ぶくれのようなものができることもある

ブシャール結節

  • 手指の第2関節に同様の症状が出現します

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の
セルフチェック

  • 指の第一関節または第二関節に痛みや腫れがある
  • 指の第一関節または第二関節に骨の隆起や変形が見られる
  • 指の第一関節または第二関節にこわばりや動かしにくさを感じる
  • 指の第一関節または第二関節にしびれや感覚の異常がある
  • 指の第一関節または第二関節に対して、握力や指の力が低下している
  • スマホ操作や農作業で指先に痛みを感じやすい

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の
検査と診断

診察では、視診と触診を行い、特徴的な部位と変形を確認します。
レントゲン検査を行い、ヘバーデン結節では第1関節(DIP)、ブシャール結節では第2関節(PIP)での関節裂隙の狭小化、骨棘形成、破壊の有無といった変形性変化を確認します。
血液検査は、関節リウマチ、痛風などとの鑑別が必要な場合に実施します。

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の治療

動注治療

ヘバーデン結節やブシャール結節などの変形性疾患では痛みを伴う異常な血管(モヤモヤ血管)がみられることが多いです。動注治療では薬剤をピンポイントで注入して、モヤモヤ血管だけを塞栓することで炎症と痛みを改善します。副作用が少なく数分の処置で高い除痛効果が期待できます。
※この治療はオクノクリニックの奥野先生によって2014年に開発されたものです。 当院はオクノクリニックとライセンス契約を結び動注治療を行なっております。

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体外衝撃波

消炎鎮痛薬などで効果がない場合、当院では「体外衝撃波治療」を行っています。
この治療法は、高出力の圧力波を照射して痛みを取り除き、細胞の再構築を促します。
治療時に軽い痛みがありますが、麻酔は不要で副作用もほとんどありません。

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薬物療法

鎮痛剤

アセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛剤が使用されます。

非ステロイド性
抗炎症薬
(NSAIDs)

イブプロフェンやナプロキセンなどが炎症と痛みを軽減します。

局所ステロイド注射

痛みや炎症がひどい場合に、ステロイドを関節に直接注射することがあります。

理学療法

関節の安定化と強化

専門の理学療法士が、指の関節を安定させるためのエクササイズやストレッチを指導します。

熱や冷却療法

温湿布や冷湿布を使って、痛みや腫れを軽減することができます。

補助具の使用

スプリントやブレース

指の関節を固定し、動きを制限することで痛みを軽減します。

指サポート

指の動きをサポートし、日常生活の動作を助けるための装具です。

手術療法

保存的治療が効果を示さず、日常生活に支障をきたす場合には、手術が考慮されることがあります。

関節切除術

重度の場合、痛みを引き起こす関節の部分的または完全な切除が行われることがあります。

関節形成術

損傷した関節を修復し、機能を回復するための手術です。

ヘバーデン結節・
ブシャール結節の予防

予防には以下のことを心がけます。

指先に負担をかけない工夫

  • オープナーを使用して、ペットボトルの蓋を開ける
  • 重い荷物を指先で持たない
  • 靴べらを使用して靴を履く
  • ドアやタンスの開け閉めに注意する
  • 手袋を使用して庭いじりや農作業を行う
  • スマホを長時間使う際には、リングなどの補助器具を使用する

安静

指の第1関節(DIP)や第2関節(PIP)が痛む時には安静にします。

装具やテーピングでの固定

仕事で指を使う場合は装具やテーピングを活用します。
絆創膏やテープで関節部分を巻くだけでも可動域を制限できます。

炎症コントロール

炎症を抑えて変形を最小限にとどめましょう。

カフェイン摂取

カフェインがヘバーデン結節に関係するとの報告があります。
デカフェやカフェインレスのコーヒーへの変更も考慮しましょう。

ヘバーデン結節・
ブシャール結節で
食べてはいけないもの

糖質や高カロリー、甘いものの摂取は関節周囲の炎症を引き起こします。
糖質や糖分の摂取量を減量しましょう。
ご飯やパン、麺、お菓子などを今の量の半分に減らすことを心がけてみて下さい。
アルコールは血管を拡張させ、関節周りの痛みを強くすることがあるため、アルコールも控えましょう。

ヘバーデン結節・ブシャール結節に良い食べ物

ヘバーデン結節・ブシャール結節に良い食べ物大豆に含まれている『大豆イソフラボン』は、エストロゲン(女性ホルモン)と似た作用があり、予防に有効とされています。
豆腐、納豆、味噌などの大豆食品を積極的に摂りましょう。
また、エクオールサプリメントも効果的です。
炎症を抑えるために、DHAやEPAを含む青魚(サバ、イワシ)もおすすめです。